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各種募集

第7回新化学技術研究奨励賞 および 2018新化学技術研究奨励賞ステップアップ賞


 第7回新化学技術研究奨励賞および2018新化学技術研究奨励賞ステップアップ賞の受賞者は、
厳正なる審査の結果、以下のように決定しました。
受賞者の皆様、おめでとうございます。
また、多数のご応募を頂き、ありがとうございました。

◇ 2018新化学技術研究奨励賞ステップアップ賞
     福島大学 共生システム理工学類 高貝 慶隆
     『放射性ストロンチウム分析の革新的な分析感度増幅システムの開発と福島第一原子力
      発電所廃止措置への展開』

◇ 第7回新化学技術研究奨励賞

特別課題:化学技術により防災・減災および復旧・復興に貢献する研究
     東京工業大学 物質理工学院 道信 剛志
     『高分子光学酸素センサーを用いた金属材料の歪み検出とその応用』

課題1:グリーンイノベーションを推進するための資源・プロセス・評価技術に関する環境技術の研究
     物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 石井 智
     『窒化チタンの広帯域プラズモン共鳴を用いた水の太陽熱蒸留』

課題2:新しい資源代替材料・技術の創製、および資源の節約・回収・再利用に関する基盤的研究
     (エネルギー資源、食料・水資源を含むものとする)
     金沢大学 理工研究域 廣瀬 大祐
     『ラセン状形状記憶ナノカーボン材料を用いた吸着特性の自在制御が可能な分離吸着材料の
     開発』

課題3:バイオマス由来製品の事業化課題を解決する革新的素材・技術に関する研究
     東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所 鎌田 慶吾
     『マンガン酸化物触媒の構造制御に基づく高効率な酸化的バイオモノマー合成反応系の構築』

課題4:創電・エネルギー貯蔵・省エネルギー分野における革新素材・技術に関する研究 
     九州大学 先導物質化学研究所 中本 康介
     『低コスト・長寿命な無欠陥プルシアンブルー類縁体を用いた2 V 超~3 V 級高入出力水系
     二次電池の創製』

課題5:エレクトロニクスの未来を支える新規材料・技術・プロセスに関する研究
     九州大学 先導物質化学研究所 長島 一樹
     『単結晶酸化物ナノワイヤ分子認識界面を利用した革新的分子識別デバイスの開発』

課題6:マイクロナノシステム用途の拡大につながる新規な材料・プロセス及びデバイス技術に関する
    研究
     香川大学 工学部 寺尾 京平
     『生体分子機械加工の実現に向けた光駆動ナノツールの開発』

課題7:高効率物質生産を目指した新規なバイオプロセスの構築に関する研究
     大阪府立大学 大学院工学研究科 松本 拓也 
     『高効率物質生産酵母株の構築に向けた代謝酵素複合体のオルガネラ局在化技術の
     開発』
 
課題8:生体分子を利用した、またはその構造と機能に着想した新規機能性材料の実用化を目指した研究
     東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所 石割 文崇
     『天然のCa
2+センサータンパク質の構造と機能に着想した表面固定化高分子イオンセンサー
     の開発と実用化』

課題9:計算化学・計算科学・データ科学を用いた先導的な材料設計・解析・評価の研究
     早稲田大学 先進理工学部化学・生命化学科 吉川 武司
     『光受容タンパク質の機能解明を目指した大規模励起状態ダイナミクス手法の開発と
     その応用』

課題10:日本のものづくり強化と新産業創出に資する「新素材」実現のための基礎的・基盤的研究
     山形大学 大学院有機材料システム研究科 中林 千浩
     『外部環境や分子状態に依らず常に高発光可能な発光性マテリアルの創出』

課題11:次世代クリーンエネルギーとしての水素製造と利用促進に関する革新的触媒技術の研究 
     兵庫県立大学 工学研究科 野ア 安衣
     『アモルファス合金を利用した金属酸化物の調製と水素生成反応への応用』

第7回新化学技術研究奨励賞および2018新化学技術研究奨励賞ステップアップ賞の審査委員は以下の通りです。
(敬称略 所属、役職は、審査委員会時点のものです)

出光興産株式会社 先進技術研究所 所長                後藤 浩樹
九州大学 先導物質化学研究所 教授                  高原 淳
北海道大学 触媒科学研究所 教授                   長谷川 淳也
立命館大学 総合科学技術研究機構 上席研究員(京大名誉教授)     今中 忠行
国立研究開発法人産業技術総合研究所 総括研究主幹           秋永 広幸
東京農工大学大学院 工学研究院 教授                 直井 勝彦
国立研究開発法人物質・材料研究機構 経営企画部門 調査役        羽田 肇
旭硝子株式会社 技術本部企画部 シニアマネージャー          前川 隆茂


【2018新化学技術研究奨励賞ステップアップ賞 受賞研究の紹介】

放射性ストロンチウム分析の革新的な分析感度増幅システムの開発と福島第一原子力発電所廃止措置への展開
福島大学 共生システム理工学類
高貝 慶隆
 この度は2018新化学技術研究奨励賞ステップアップ賞に採択頂き、誠にありがとうございます。研究奨励賞研究において放射性ストロンチウムの迅速な分析法を構築して福島第一原子力発電所(1F)の排水分析へ適用する中で、今回の分析感度増幅システムの着想と展開に至りました。本研究では独自の分析システムの設計をもとに分析性能の向上を図り、最終的に1Fへの適用を目指します。新化学技術推進協会様の継続的な支援に深く感謝致します。

【第7回新化学技術研究奨励賞 受賞研究の紹介】 

特別課題:化学技術により防災・減災および復旧・復興に貢献する研究
高分子光学酸素センサーを用いた金属材料の歪み検出とその応用
東京工業大学 物質理工学院
道信 剛志
 この度は第7回新化学技術研究奨励賞に採択してくださり、誠にありがとうございます。酸素に応答して発光強度が減少する高分子センサーは、感圧塗料として以前から研究されてきました。本研究では、このセンサーを用いて構造物に使われている金属材料の歪みを検出することに挑戦します。化学の力で防災・減災に貢献できるような研究成果を生み出したいと思っています。
課題1:グリーンイノベーションを推進するための資源・プロセス・評価技術に
    関する環境技術の研究
窒化チタンの広帯域プラズモン共鳴を用いた水の太陽熱蒸留
物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点
石井 智
 第7回新化学技術研究奨励賞を受賞させていただくことを非常に光栄に思うと同時に、我々の研究をご評価くださったことに深く感謝申し上げます。当該研究は所属機関のナノ光制御グループのメンバーと一緒に立ち上げてきたもので、ナノ構造によって太陽光エネルギーを有効利用することで高い効率で水を蒸発できる技術です。本技術を用いることで、太陽光のみをエネルギー源として海水等の蒸留などに応用されることが期待されます。
課題2:新しい資源代替材料・技術の創製、および資源の節約・回収・再利用に
    関する基盤的研究(エネルギー資源、食料・水資源を含むものとする)
ラセン状形状記憶ナノカーボン材料を用いた吸着特性の自在制御が可能な分離吸着材料の開発
金沢大学 理工研究域
廣瀬 大祐
 この度は、第7回新化学技術研究奨励賞に選出頂きまして、心より感謝申し上げます。希少あるいは有害な物質を任意に分離・回収する技術の開発は、有限な資源および環境を維持するために不可欠です。本研究では、「連続的な構造変化」と「形状記憶能力」を示すラセン状ポリ(ジフェニルアセチレン)誘導体の吸着材料としての性質を明らかにし、そのラセン側鎖間に生じるナノ空孔を連続的かつ自在に制御することで任意の物質のみを吸着・分離可能な新規吸着材料の開発を目指します。
課題3:バイオマス由来製品の事業化課題を解決する革新的素材・技術に関する
    研究
マンガン酸化物触媒の構造制御に基づく高効率な酸化的バイオモノマー合成反応系の構築
東京工業大学 科学技術創成研究院
フロンティア材料研究所
鎌田 慶吾
 この度は、栄えある第7回新化学技術研究奨励賞にご選出いただき、誠にありがとうございます。本研究では、安価で豊富に存在するマンガン酸化物の多様な結晶構造を精密に制御することで、PET代替ポリマーの原料として有用な2,5-ジフランカルボン酸などのバイオマス由来モノマーの合成に最適な触媒構造を探索します。貴金属触媒を用いることなく、分子状酸素のみを酸化剤として高効率でモノマー合成できる酸化触媒反応系の構築を目指します。
課題4:創電・エネルギー貯蔵・省エネルギー分野における革新素材・技術に
    関する研究
低コスト・長寿命な無欠陥プルシアンブルー類縁体を用いた2 V超〜3 V級高入出力水系二次電池の創製
九州大学 先導物質化学研究所
中本 康介
 第7回新化学技術研究奨励賞に採択頂き、誠にありがとうございます。小資源国である我が国でのエネルギー問題解決の切り札となり、また完全自動運転化時代におけるラストワンマイル志向のEV電源の候補となり得る高入出力な次世代電池の創製を目指しております。本研究では、無欠陥で安価なプルシアンブルー顔料を電極に用いた水系ナトリウムイオン電池の高電圧作動と長寿命化によって、次世代における諸問題解決の糸口を見出します。
課題5:エレクトロニクスの未来を支える新規材料・技術・プロセスに関する研究
単結晶酸化物ナノワイヤ分子認識界面を利用した革新的分子識別デバイスの開発
九州大学 先導物質化学研究所
長島 一樹
 第7回新化学技術研究奨励賞に選出いただき、審査委員および関係者の方々に心より感謝申し上げます。本研究では、大気中で熱的・化学的に安定な金属酸化物ナノワイヤ表面に分子の構造や特徴を認識する分子認識界面を形成し、これをセンサ技術と融合させることで、従来利用されてこなかった私達の身の回りに存在する"化学情報"を収集する新しい分子識別エレクトロニクスデバイスの創製を目指します。今回の受賞を励みに益々精進してまいります。
課題6:マイクロナノシステム用途の拡大につながる新規な材料・プロセス及び
    デバイス技術に関する研究
生体分子機械加工の実現に向けた光駆動ナノツールの開発
香川大学 工学部
寺尾 京平
 第7回新化学技術研究奨励賞に選出頂き誠にありがとうございます。本研究は、生体分子解析への応用を目的に、生体分子1分子に対する極限的な機械加工技術の実現を目指します。そのために、分子加工用の工具として、化学反応を触媒する酵素を表面に固定したナノ・マイクロメートルサイズの微小な構造体を開発し、それを液中で光操作することで生体分子を観察しているその場で一分子加工する手法を確立します。
課題7:高効率物質生産を目指した新規なバイオプロセスの構築に関する研究
高効率物質生産酵母株の構築に向けた代謝酵素複合体のオルガネラ局在化技術の開発
大阪府立大学 大学院工学研究科
松本 拓也
 この度は、第7回新化学技術研究奨励賞に選出頂きまして誠に有難うございます。微生物による物質生産を高効率で行うためには、目的化合物の生産に関与する代謝酵素が適切な細胞内小器官(オルガネラ)で適切に働く必要があります。本研究では、酵母細胞内において目的化合物の生産に関与する代謝酵素群を適切なオルガネラで複合体として発現する技術を構築することで、酵母を用いた高効率なバイオプロセスの構築を目指します。
課題8:生体分子を利用した、またはその構造と機能に着想した新規機能性材料
    の実用化を目指した研究
天然のCa2+センサータンパク質の構造と機能に着想した表面固定化高分子イオンセンサーの開発と実用化
東京工業大学 科学技術創成研究院
化学生命科学研究所
石割 文崇
 この度は栄えある新化学技術研究奨励賞にご選出いただき大変嬉しく光栄に存じます。最近私たちは、汎用性高分子であるポリアクリル酸に凝集誘起蛍光色素をわずか数mol%導入するだけで、細胞外Ca2+検出に適したイオンセンサーとして機能することを見出しました。本研究では、この汎用高分子からなるイオンセンサーをガラス基板や高分子基材表面に固定化することで、Ca2+検出の時空間分解能を向上させ、かつ、より使用し易い形態での実用化を目指します。
課題9:計算化学・計算科学・データ科学を用いた先導的な材料設計・解析・評価
    の研究
光受容タンパク質の機能解明を目指した大規模励起状態ダイナミクス手法の開発とその応用
早稲田大学 先進理工学部化学・生命化学科
吉川 武司
 この度は、第7回新化学技術研究奨励賞に選出いただき、大変光栄に存じます。審査委員および関係者の方々に心より御礼申し上げます。本テーマは、光受容タンパク質である光活性黄色タンパク質(PYP)を対象として、その光励起により誘起されるプロトン移動ダイナミクスを理論的に解明することを目的としております。本研究により、光化学反応を伴う生命現象の本質的理解と、新規な光受容タンパク質の創成に向けた設計指針の確立につなげたいと考えています。
課題10:日本のものづくり強化と新産業創出に資する「新素材」実現のための
     基礎的・基盤的研究
外部環境や分子状態に依らず常に高発光可能な発光性マテリアルの創出
山形大学 大学院有機材料システム研究科
中林 千浩
 この度は第7回新化学技術研究奨励賞に選出頂き、誠にありがとうございます。発光性材料は、有機EL素子や蛍光バイオイメージングなどの次世代エレクトロニクス・次世代医療の実現に不可欠な材料です。発光性材料に第一に求められる特性は、高発光することです。しかし、既存材料の発光性は、分子状態や外部環境に強く依存しており、多様な応用先で要求される発光性を常に得ることは困難な状況です。本研究では、凝集誘起発光構造の集積固定化という新しい分子設計に基づき、常に高発光できる発光性材料を開発し、発光性材料を活用した次世代産業の発展に貢献したいと考えています。
課題11:次世代クリーンエネルギーとしての水素製造と利用促進に関する
     革新的触媒技術の研究
アモルファス合金を利用した金属酸化物の調製と水素生成反応への応用
兵庫県立大学 大学院工学研究科
野ア 安衣
 この度は,第7回新化学技術研究奨励賞に選出頂き誠にありがとうございます。本研究では,アモルファス合金から調製した金属酸化物を触媒担体として利用し、高水素含有化合物からの水素生成反応に応用します。前駆体合金構造や金属酸化物が触媒特性に与える効果を明確にするとともに、高活性化に向けて最適な構成元素・構造・化学処理条件の探索を行うことで、水素生成反応に高活性を示す触媒開発を目指します。




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