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各種募集

第8回新化学技術研究奨励賞 および 2019新化学技術研究奨励賞ステップアップ賞


(公社)新化学技術推進協会(JACI)では、産学官交流連携活動の一環として、化学産業界が必要とする研究課題を設定し、その実現に貢献することができる若手研究者の独創的な萌芽的研究テーマを発掘・奨励するために、新化学技術研究奨励賞を設けています。



第8回新化学技術研究奨励賞および2019新化学技術研究奨励賞ステップアップ賞の受賞者は、厳正なる審査の結果、以下のように決定しました。
受賞者の皆様、おめでとうございます。
また、多数のご応募を頂き、ありがとうございました。


2019新化学技術研究奨励賞ステップアップ賞

  • 大阪大学 生物工学国際交流センター 木谷 茂
  • 微生物代謝覚醒工学による非天然型インドールアルカロイドの創製と生理活性能の創出

第8回新化学技術研究奨励賞

特別課題:化学技術により防災・減災および復旧・復興に貢献する研究

  • 大阪大学 産業科学研究所 野田 祐樹
  • 生体聴覚を模倣したシート型振動センサの開発

課題1:グリーンイノベーションを推進するための資源・プロセス・評価技術に関する環境技術の研究

  • 東京工業大学 物質理工学院 椿 俊太郎
  • 位相制御マイクロ波による有機性廃棄物の高効率ガス化

課題2:新しい資源代替材料・技術の創製、および資源の節約・回収・再利用に関する基盤的研究
(エネルギー資源、食糧・水資源を含むものとする)

  • 東北大学 大学院工学研究科 LU XIN
  • 金属二次資源の再溶融処理に向けた熱力学解析システム2.0版の構築

課題3:バイオマス由来製品の事業化課題を解決する革新的素材・技術に関する研究

  • 京都大学 生存圏研究所 バイオマス変換分野 西村 裕志
  • 分子特性を活かした天然型リグノセルロース高分子の新展開

課題4:創エネ・エネルギー貯蔵・省エネルギー分野における革新素材・技術に関する研究

  • 九州大学 先導物質化学研究所 猪石 篤
  • 全固体電池を用いた高電位正極材料の開発

課題5:スマートエネルギー社会を支える新規材料・技術・プロセスに関する研究

  • 東京工業大学 物質理工学院 稲木 信介
  • 導電性高分子薄膜の自発成長に基づく基板上への描画プロセスの開発

課題6:マイクロナノシステム用途の拡大につながる新規な材料・プロセス及びデバイス技術に関する研究

  • 広島大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 今任 景一
  • マイクロナノ表面パターンの光可逆的変換による細胞挙動の時空間制御

課題7:生体又は生体機能を利用した新規な生産プロセスの構築、その基盤技術開発、あるいはこれに資する評価技術に関する研究

  • 東京薬科大学 生命科学部 応用生命科学科 高妻 篤史 
  • 微生物発酵の電気制御による革新的物質生産プロセスの構築

課題8:生体分子を利用した、またはその構造と機能に着想した新規機能性材料の実用化を目指した研究

  • 慶應義塾大学 理工学部 生命情報学科 川上 了史
  • クライオ電子顕微鏡観察に向けた中空タンパク質ナノ粒子TIP60への異種タンパク質内包系の確立

課題9:計算化学・計算科学・データ科学を用いた先導的な材料設計・解析・評価の研究

  • 名古屋大学 大学院工学研究科付属計算科学連携教育研究センター 畝山 多加志
  • 高分子材料開発に向けたメソスケール粗視化モデリングの発展

課題10:日本のものづくり強化と新産業創出に資する「新素材」実現のための基礎的・基盤的研究

  • 名古屋工業大学 大学院工学研究科 物理工学科 木村 耕治
  • 原子配列3次元可視化に基づく電気磁気効果の原理解明

課題11:特殊反応場を活用した革新的低環境負荷触媒反応プロセスに関する研究

  • 筑波大学 数理物質系 伊藤 良一
  • グラフェン膜と卑金属表面の界面にできる特殊反応場を利用した酸性中でも溶解しない卑金属触媒を用いた低環境負荷触媒反応プロセスの解明

第8回新化学技術研究奨励賞および2019新化学技術研究奨励賞ステップアップ賞の審査委員は以下の通りです。(敬称略 所属、役職は、審査委員会時点のものです)
AGC株式会社 化学品カンパニー戦略本部 本部長
大春 一也
九州大学 先導物質化学研究所 教授
高原 淳
北海道大学 触媒科学研究所 教授
長谷川 淳也
立命館大学 総合科学技術研究機構 上席研究員(京大名誉教授)
今中 忠行
国立研究開発法人産業技術総合研究所 総括研究主幹
秋永 広幸
東京農工大学大学院 工学研究院 教授
直井 勝彦
国立研究開発法人物質・材料研究機構 経営企画部門 調査役
羽田 肇
東ソー株式会社 研究企画部 副理事
小栗 元宏

【2019新化学技術研究奨励賞ステップアップ賞 受賞研究の紹介】

微生物代謝覚醒工学による非天然型インドールアルカロイドの創製と生理活性能の創出
大阪大学 生物工学国際交流センター
木谷 茂
 この度は、2019新化学技術研究奨励賞ステップアップ賞を賜りまして、光栄に存じます。奨励賞研究では、微生物に潜在する物質生産能力を覚醒活用することにより、有用物質を創出することに取り組みました。本研究では、重要な医農薬分子であるインドールアルカロイドに着目し、その生合成系の覚醒、改変、再構成を経て、新たな生理活性を示す物質を創製することを目指します。本協会の継続的な支援に、深く感謝致します。

【第8回新化学技術研究奨励賞 受賞研究の紹介】 

特別課題:化学技術により防災・減災および復旧・復興に貢献する研究
生体聴覚を模倣したシート型振動センサの開発
大阪大学 産業科学研究所
野田 祐樹
 この度は栄えある第8回新化学技術研究奨励賞にご選出いただき、誠にありがとうございます。本研究ではコンクリート構造物の劣化診断に使用するための振動センサを新規作製し、実際に実証試験まで行うことを目的としています。生体構造を参考に化学を基盤とすることで特性とコストの両面に優れた新しい原理に基づく実用的な振動センサを開発いたします。これにより社会的課題の一つである防災・減災に貢献できる成果を目指します。
課題1:グリーンイノベーションを推進するための資源・プロセス・評価技術に
    関する環境技術の研究
位相制御マイクロ波による有機性廃棄物の高効率ガス化
東京工業大学 物質理工学院
椿 俊太郎
 この度は、第8回新化学技術研究奨励賞にご選出をいただき、大変光栄に存じます。マイクロ波は非接触で被照射物を急速加熱することが可能な産業用電気加熱技術として注目されています。従来のマグネトロン式と比較して、半導体式のマイクロ波発振器を用いることにより、精密にマイクロ波照射条件を制御することが可能となります。本手法を用いて、有機性廃棄物を急速昇温し、効率よくガス化する技術を確立します。
課題2:新しい資源代替材料・技術の創製、および資源の節約・回収・再利用に
    関する基盤的研究(エネルギー資源、食糧・水資源を含むものとする)
金属二次資源の再溶融処理に向けた熱力学解析システム2.0版の構築
東北大学 大学院工学研究科
LU XIN
 この度は、第8回新化学技術研究奨励賞に採択いただき、誠にありがとうございます。金属二次資源は、人工的に合金元素を添加した合金として存在しており、再溶融プロセスによるリサイクルの際、添加された合金元素の回収目的金属から除去限界を知ることは重要です。先行研究では、FeやNiなどの単一金属溶媒から合金元素の除去性を定量かつ系統的に評価する熱力学解析システム(1.0)を構築しました。本研究では、合金系溶媒からの各合金元素の除去性を熱力学的に解析し、合金系金属二次資源のリサイクルにおける資源効率の最大化を目指します。
課題3:バイオマス由来製品の事業化課題を解決する革新的素材・技術に関する
    研究
分子特性を活かした天然型リグノセルロース高分子の新展開
京都大学 生存圏研究所 バイオマス変換分野
西村 裕志
 この度は栄えある新化学技術研究奨励賞を賜り誠にありがとうございます。バイオマスの中でもリグニンの変換と利用は難しい課題ですが、サステイナブルな社会の実現に向けて不可欠な要素です。本研究では環境調和型の変換法によって天然型のリグノセルロース高分子を取得し、その分子特性を活かして高機能素材としての新しい利活用法を提案します。本受賞を励みに一層、研究を推進して参ります。
課題4:創エネ・エネルギー貯蔵・省エネルギー分野における革新素材・技術に
    関する研究
全固体電池を用いた高電位正極材料の開発
九州大学 先導物質化学研究所
猪石 篤
 第8回新化学技術研究奨励賞に選出いただき、審査委員および関係者の方々に心より御礼申し上げます。蓄電池のエネルギー密度を上げるアプローチとして、容量と電圧の2つの方向性があります。分解が起こりにくい全固体電池では、電解液で利用できなかった高電位正極が利用できる可能性があります。本研究では、電極と電解質を一体化させた酸化物系全固体リチウムイオン電池を用いて5 Vを超える新しい高電位正極材料の開発を目指します。
課題5:スマートエネルギー社会を支える新規材料・技術・プロセスに関する研究
導電性高分子薄膜の自発成長に基づく基板上への描画プロセスの開発
東京工業大学 物質理工学院
稲木 信介
 この度は第8回新化学技術研究奨励賞に採択してくださり、誠にありがとうございます。電解重合法による導電性高分子薄膜合成は非常に簡便な優れた手法として知られています。本研究では、我々が開発した導電性高分子薄膜の面内方向成長という新しい電解重合プロセスに基づき、汎用基板上に導電性高分子を自在に薄膜化させる描画技術の確立を目標とし、有機エレクトロニクス分野への応用展開を目指します。
課題6:マイクロナノシステム用途の拡大につながる新規な材料・プロセス及び
    デバイス技術に関する研究
マイクロナノ表面パターンの光可逆的変換による細胞挙動の時空間制御
広島大学 大学院工学研究科応用化学専攻
今任 景一
 この度は第8回新化学技術研究奨励賞にご選出頂き、誠にありがとうございます。接着や増殖、遊走、分化などの細胞挙動は創傷治癒、組織再生、がん転移などに深く関わり、その制御技術の開発は健康増進や医療発展の観点で極めて重要です。本研究では、細胞を培養する足場表面のマイクロ・ナノサイズの微細構造や化学組成パターンを光刺激のみで可逆的に変換できる世界初の足場の開発し、細胞挙動の精密な時空間制御を目指します。
課題7:生体又は生体機能を利用した新規な生産プロセスの構築、
    その基盤技術開発、あるいはこれに資する評価技術に関する研究
微生物発酵の電気制御による革新的物質生産プロセスの構築
東京薬科大学 生命科学部応用生命科学科
高妻 篤史
 この度は栄えある第8回新化学技術研究奨励賞を賜り、誠にありがとうございます。微生物による発酵は様々な物質の生産に利用されていますが、酸化還元バランスの不均衡により生産が難しい化合物があることが課題となっています。本研究では電極と電子の授受が可能な微生物(電気活性細菌)を用いて、その細胞内酸化還元バランスを電気によって制御することで、従来の発酵法よりも高収率で有用物質を生産するプロセスの創出を目指します。
課題8:生体分子を利用した、またはその構造と機能に着想した新規機能性材料
    の実用化を目指した研究
クライオ電子顕微鏡観察に向けた中空タンパク質ナノ粒子TIP60への異種タンパク質内包系の確立』
慶應義塾大学 理工学部生命情報学科
川上 了史
 第8回新化学技術研究奨励賞に採択いただき、誠にありがとうございます。タンパク質の立体構造解析に重要なクライオ電子顕微鏡ですが、現状は観察試料の調製段階でタンパク質ごとに最適化が必要です。本研究では、任意のタンパク質を、我々が設計した中空タンパク質ナノ粒子(TIP60)の内部空間に閉じ込める手法を開発し、一定の試料の調製条件で様々なタンパク質を観察できる技術に発展させることを目指します。
課題9:計算化学・計算科学・データ科学を用いた先導的な材料設計・解析・評価
    の研究
高分子材料開発に向けたメソスケール粗視化モデリングの発展
名古屋大学 大学院工学研究科付属計算科学連携教育研究センター
畝山 多加志
 第8回新化学技術研究奨励賞に採択していただき、非常に光栄に思います。高分子材料のマクロスケールの物性はモノマーのような化学構造だけはなく、より大きなスケールでの物理的な高次構造やダイナミクスにも強く影響されます。例えば、レオロジー(流動)特性や力学物性は高次構造の影響を強く反映することがよく知られています。本研究では高次構造と物性の相関を解明するために、モノマーよりも大きなメソスケールの構造を効率的に計算するための粗視化モデリング手法を発展させることを目指します。
課題10:日本のものづくり強化と新産業創出に資する「新素材」実現のための
     基礎的・基盤的研究
原子配列3次元可視化に基づく電気磁気効果の原理解明
名古屋工業大学 大学院工学研究科物理工学科
木村 耕治
 この度は第8回新化学技術研究奨励賞に採択頂き、誠にありがとうございます。本研究では、デバイスの新規動作原理として期待されている電気磁気効果について、蛍光X線ホログラフィーを用いてその発現機構に迫ります。本手法は原子配列を3次元可視化できるユニークな技術であり、電気磁気効果の根源となる、磁場に対する原子変位を立体的に解析できます。これにより新規デバイス創成の基盤となる知見の獲得を目指します。
課題11:特殊反応場を活用した革新的低環境負荷触媒反応プロセスに関する研究
グラフェン膜と卑金属表面の界面にできる特殊反応場を利用した酸性中でも溶解しない卑金属触媒を用いた低環境負荷触媒反応プロセスの解明
筑波大学 数理物質系
伊藤 良一
 この度は、第8回新化学技術研究奨励賞に選出して頂きまして誠にありがとうございます。水素社会実現に向けてエネルギー効率の良い固体高分子型水電解に適用可能な白金代替電極の開発が求められています。本研究はグラフェンで卑金属表面を被膜(保護)することで、酸性条件下で腐食を抑えつつ卑金属が本来持つ電極能力を発揮できるような耐腐食性卑金属電極を開発し、水素社会に向けた基盤技術へ貢献したいと考えています。


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